「PATTERNS」シリーズへ、新たに2柄16点を追加しました。
廃棄予定だったサンプルを粉砕したチップを混ぜ込んだ和紙をスキャニング、壁紙のデザインとしてラインナップ。和紙漉きは創業371年の老舗和紙専門店「小津和紙」(東京・日本橋)の制作協力のもと、工房をお借りして手漉きの手法を取りました。和紙の原料である楮がもつ自然素材ならではのエシカルな印象はそのままに、壁紙の鮮やかな色味が表現に遊びをもたせるユニークなデザインとなりました。
また、同時リリースとしてTEXTURESへ”WASHI”を追加。お好きな色を指定して制作する単色無地のシリーズ”COLORS”のオプションとして、和紙のテクスチャを重ねて表現することができます。
企画の背景から制作について
完全受注生産により納品する最終製品に対してロスはほとんど出ないものの、色味の確認や調整といったクオリティ担保のために印刷するサンプルの廃棄が一定出てしまいます。今回はそれをデザインに活用できないか、というきっかけで企画がスタート。さまざまな素材と組み合わせることができ、かつインテリアのマテリアルとしてもメジャーな「和紙」を採用するに至りました。
東京日本橋に拠点を構え、和紙漉きの工房をもつ老舗和紙専門店「小津和紙」にご協力いただき、制作のサポートやデザインのノウハウを教えていただきながら手漉きの和紙を作り上げました。
制作には、和紙に用いる代表的な自然素材である楮(こうぞ)をベースに、壁紙のサンプルを細かく粉砕したチップを混ぜ込みました。チップは粒度や色のバリエーションをいくつか用意し、最終的にバランスの良いデザインを採用しています。
グラデーションのデザインは着色を施した和紙の元をいくつか用意し、段階的に流し込むことで階調をつくりあげます。
手漉きの手法を取ることで、味わい深い風合いやムラと、細かく粉砕した壁紙のサンプルチップの偶発的な配置が実現。商品化にあたっては、制作した和紙の印象を崩さないようにデザインの微調整をおこない、カラーバリエーションも用意しました。
今回のデザイン企画では、廃棄予定の壁紙サンプルを使用した和紙そのものを商品化したのではなく、壁紙の新しいデザインとしての展開となりますが、昔からある伝統的な「和紙漉き」の技術と、日本人の心に根付く「もったいない」をマッチさせた企画として、少しでもサステナブルなマインドを意識するきっかけになるデザインになると嬉しいです。
PATTERNS ALL LINE-UP